世界情勢や景気動向、それに最近でいろとフランスのテロのニュースなどを見ていると、時々これから世の中はどうなってしまうのかという得体の知れない不安感に襲われることがあります。今までと同じようにはいかないだろうという漠然とした気持ちだけが芽生えてきます。
本書は2050年の日本を具体的な数値を提示しながらシュミレートしています。その上でこれから生き抜く上で必要な力について考察されています。
今世の中にある仕事の40%はロボットにとって変わられるとも言われる時代。そのような状況の中でこからどういう力が必要かを考えてみるべく、本書を読んでみました。
スポンサーリンク答えがないという前提で取り組めるか
日本人は、自分で考える力が弱いとよく言われます。私も物事を決める際に未だに正解は何かと自問自答してしまう癖があります。子供ころからずっと、答えのある問題を解くことに慣れてしまっているからでしょう。気づいて、思考を軌道修正しようとすることがよくあります。
当たり前ですが、人生で起こる問題に正しい答えなどありません。ただし、問題に直面したときに正しいというか、あるべき物事の捉え方、分析の仕方というのは存在する気がしています。
物事を自分で考える力あると言われる人はこの部分がしっかりしている人だと私は感じています。世の中で問題があるという状態は、あるべき姿と現状とのギャップが激しい状態のことです。
裏を返せば、あるべき姿の定義、現状と何が違うのか、どうすれば近づけることができるかをきっちり論理的に考えることができればその人は、考える力があると言えます。
ところが日本人の場合、このあるべき姿を定義するというのがものすごく苦手です。現状の疑問を抱く思考というのが薄いために課題も見つけられないのです。
共創する力で新しい発想を生み出す
私は寄らば大樹の陰のような物の考え方が嫌いです。勢力の大きな方について、威を借りて大上段から叫ぶような人を見るととても気分が悪くなります。
日本人は自分と違う考えの人を極端に排斥してしまうところがあります。異論を認めない村社会の空気が新しいイノベーションをつぶしてしまわないか心配です。
何か物事を成し遂げようとしたときに一人で出来ることは限られています。多くの人とコミュニケーションを取りながら進めていくということが個人にとっても、世の中にとっても重要なことは間違いありません。ただ、そのとき、感情にまかせて頭ごなしに異論を否定する風潮がいかがなものかと感じます。
東京の渋谷区で同性のカップルを区が公式に認めたことが話題になりました。自分の身近に同性愛の人がいるという話は聞きませんし、実際にそういう人とお話をしたことは多分人生で経験がないはずです。
私はひょっとすると、実際に身近にそういう人が現れたら気持ちの上では一瞬構えてしまうかもしれません。ただ、構えてしまう自分を受け入れた上で、実際には対話を深めていくことは可能なんだと考えています。
すくなくとも頭ごなしに自分のシャッターを閉じるようなことはしてはいけないと考えています。自分と違うことをきちんと受け入れることが重要なのです。
最近では、同性のカップル向けの生活用品をターゲットにした製品開発を進めている企業もあるそうです。違いを受け入れ、多様性を認める社会がくれば日本の経済はまた活性化するのでは感じています。
進化する力の機能不全
自分の身の回りを見渡しても、本当に今は変化の早い時代だと感じています。大手企業の業績をとってもある年にはヒット商品が生まれて業績が上向きだったにも関わらず、その後数年で業績不振、事業売却などという話はまったく珍しくありません。
こういう変化の激しい時代には、自分の力を信じて多少失敗しても見切り発車を繰り返して行けるかが重要になると言われています。実のところ、これが私はかなり苦手です。いつも自分に自信が持てずに苦労することが多いです。
日本人の中高生の8割以上は自分をダメな人間だと思っているそうです。自分に自信がないからチャレンジすることもできない、チャレンジがないから成功も失敗もないという状態に陥っています。
私の学生のころを振り返ると、「おまえたちはこういうところがダメだ。だからもっと頑張れ」という指導のされ方を受けることが多かったように感じます。何も努力しない素の自分はダメで、それを改善するために努力するという、マイナスをゼロにする教育を受けてきたような気がします。
ですが、これからの時代は何がプラスになるかなど、やって見なければわからない時代になっています。より強みを伸ばす教育のよって、進化する力を育む必要があるのです。
今日のアクション
読んでいて、全体的に自分が苦手だなと感じる能力が多かったです。何もしないでは、これからジリ貧になるのは目に見えているので少しずつ力をつけていく取り組みをしたいと考えています。
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電子書籍「本好きのためのAmazonKindle読書術」著者。Kindle本総合1位を2度獲得。その他WordPressプラグイン「Sandwiche Adsense」を開発。トライ&エラー可能な人生を目指して活動中。世の中の問題はだいたいコミュニケーションに関わるものなので、もっと気楽にやろうをモットーにブログ「モンハコ」を運営。
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