問題の8割はコミュニケーション

だいたいの問題はコミュニケーション不足で起きている。コミュニケーションTips、ライフハック、Kindle、WordPress…etc

みんな同じというのは病だと思う

photo credit: John-Morgan via photopin cc

 

コモディティ。

日本の社会全体を見渡した時にコモディティ化した人を求めているとしか考えられないことがよくあります。教育、企業、その他世の中のあらゆる場面で標準化から外れた人間はいらないという風潮をかんじるのです。

一方で、マスコミを始め、様々な媒体で実力主義、個性を重視しましょうといっていますが、社会経験を踏まえていうとそういう人が必要とされる場は、日本の社会においてごくわずかです。

没個性な人間がたくさん欲しいのに個性が必要だとアピールする、何というかこういう状況を見ていると世の中の本音と建前が逆転してしまっているように感じてしまいます。

世の中の大半の組織と呼ばれるところでは、その業種の標準的なスキルを持った(低すぎるのは困るがオーバースペックもこまる)、コミニケーション能力の高い人(空気が読めて自己主張をしない人)が求められています。これはいわゆるコモディティです。

 

自分を愛する力 (講談社現代新書)

 

著者の乙武洋匡氏は五体不満足で脚光を浴びた、ベストセラー作家であり、重度の障害を抱えながらもフリーランスとして独自の働き方をされているコモディティとは正反対の方です。

 

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教師としての3年間

 

本書を読んで始めて知ったのですが、乙武氏は、二十代の後半に杉並区の教育として三年間勤務されていたそうです。

 

僕が思っている以上に、学校とは「横ならび」を意識しなければならない組織だった。右を見て、左を見て、ほかのクラスと足なみをそろえて、ようやく前に進める。いや、それをしなければ、前に進めないような職場だったのだ。  もちろん、そうした風土のほうが仕事をしやすいという人もいるだろう。だが、大学を卒業してからは七年間、フリーランスという立場で、すべての判断を自分の責任においてみずから下すという仕事の進め方をしてきた僕にとっては、それが窮屈で仕方なかった。正直にいえば、そこに独創性は求められていなかったのだ。

 

乙武氏には自身の生い立ちから教育に対する独自の考え方があり、子供達の自己肯定感を育てるため、様々な取り組みを行っていきます。ですが、イレギュラーを嫌う教職員も多く、本書ではその葛藤が描かれています。

 

ゆとり教育は悪か

 

私より少し下の世代からゆとり世代と一括にされ、教育カリキュラムの犠牲者のような扱いを受けています。

私は個人的にゆとり教育の理念そのものは、大きく間違っておらず、具体的なカリキュラムに落としこむ段階や制度の運用、あるいはゆとり教育というネーミング自体に問題があったのではと考えています。

ゆとり教育の問題点は知識量の低下による学力低下といわれています。ですが、私は知識の詰め込みとゆとり教育が対立する概念だったとは考えていません。

教育の専門家ではないので、間違っているかもしれないですが、ゆとり教育とは脱コモディティ化教育、自己管理教育であり、自分でゆとりを生み出すための教育だったと考えています。必要な知識はきちんと習得した上で、自分の時間をどう使い、意志決定力をどうつけていくのか。それが重要だったように感じています。

 

自分の人生の正解は自分で見つけるしかない

 

僕らは、授業で「これが正解だ」と教えられ、それを必死になって記憶してきた。そして、テストという場でいかにその記憶を正確に取りだすことができるかを問われてきた。記憶が正しければ正しいほど、いい点数が取れた。それを勉強だと思いこんできた。  ところが、社会に出てみて、愕然とする。「正解」や「模範解答」が存在する問題などほとんどない。どれもが「自分なりの答え」が求められることばかり。だからこそ、僕らは社会に出て、「あなたなら、どうしますか?」と問われたときに、「いったい、どうしたらいいのだろう……」と、戸惑い、凍りついてしまうのだ。無理もない。そんな練習は、家庭でも、学校でも、ほとんど積んでこなかったのだから。

 

少なくとも自分の人生の正解は自分で見つけるしかありません。少し昔なら、職場で定年まで勤め上げ、子供を育て、安らかな老後を送るというようなロールモデルが存在していました。

みんなと同じ人生を送ることが幸せになる方法ではなくなりつつあるのです。

冒頭にコモディティという言葉を使いましたが、職能的な部分だけでなく、生き方までコモディティになってしまったら、本当につならないと最近考えています。

 

今日のアクション

 

教育に関する本というのをここ何年も読んでいなかったのですが、久しぶりに読んで熱い気持ちになりました。著者の子供達への愛情がつまった一冊です。

 

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