またうまくいかなかった。

私は過去に何度か同じような失敗を繰り返しして、まるで自分が呪いにでもかかって無限回廊を歩いているような気分にかかることがあります。失敗してはいけない大事な場面、全力を尽くしたつもりなのにうまくいかず、「またか」という気分になってしまう。

きっと運が悪いだけだ。そうあなたが私と同じように自分に言い聞かせているなら、その前に自分の中に過去の未処理の感情が眠っていないかを考えてみて下さい。

未処理の感情に気付けば、問題の8割は解決する

過去に置き忘れて来た未処理の感情が、ゆがんだ認知を作り望まない結果を生み出しているのかもしれません。

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感情は自然に沸くものではない

私達は現実に何かかが起これば、自然にそれに対する感情が沸くと考えています。ですが、これは誤りです。実際には、出来事と感情の間には、過去の経験に基づいた認知、いわゆるビリーフが入ってきます。

大きな失敗をしたときには、普通人は落ち込みます。ですが、それをバネにして次頑張るか、それともそこで諦めてしまうかは人によって違います。これはその人が持っているビリーフが異なるからです。

歪んだ認知は、歪んだ行動を起こし、結果、歪んだ現実を作り出すという悪循環に陥ってしまうのです。世の中で素晴らしい人生を送っている人というのは、少なからず正しい認知を持っているからこそ、その結果が出せていると言えるのです。

歪んだビリーフで自分を見失う

「落ち込んでいる暇はない」などということを冗談めかしていう人がたまにいますが、私達はうまくいかなかった時、悲しかった時などに自分で処理しきれない感情に蓋をして忘れてしまうことができます。

ですが、この処理しきれなかった感情は、顕在意識で認識できないだけで、意識の90%を占める潜在意識の中に蓄積されています。そして、この累積した未処理の感情は、歪んだビリーフを生み出し、歪んだ行動に繋がるのです。

「魔女の法則」という言葉を聞いたことがあります。子供の頃に虐待を受けた人は、自分が親になったときに同じような虐待を繰り返してしまい、自分も子供も傷ついてしまうケースが多くあるそうです。これも恐らく子供のころに蓄積された未処理の感情が大きく影響しているのでしょう。

自分の心の中に満たされない空虚感や欠乏感、あるいは同じような場面で同じような失敗を繰り返すと感じているなら、それは蓄積した未処理の感情に自分が振り回されているということを疑ってみるべきなのです。

未処理の感情と向き合う

歪んだビリーフを解消し、自分の望んだ人生を送るためには自分の中にある未処理の感情を見つけ、自分を許すことが重要になります。

ですが、これは難しい作業でもあります。さきほど、ゆがんだビリーフは自分を見失わさせる側面もありますが、同時にそれがあることでメリットも提供していることもあるのです。

例えば、「欲を出してはいけない」というビリーフは、自分が本当に欲しいモノが分からなくなるというデメリットもありますが、あらかじめ欲しいモノが手に入らない苦しさに予防線を張ることもできます。

大切なことは、ビリーフを持つことのメリットとデメリットを自覚することです。そうすれば、少しずつビリーフは緩んでくる可能性があります。

もし必要ならばプロのカウンセリングを受けるということも選択の一つだと言えます。

自分が何者かを知るものが時代を創れる

プロのカウンセラーの方にお話を伺うとビリーフを取り除くことは、タマネギの皮むきと同じだと言われることがよくあります。自分の未処理の感情を一枚一枚取り除き、本当の自分になっていくという意味です。

ただ、私は本当の自分になったとき、どういう景色が見えるのでしょうか。私は子供のころから人の期待を優先する生き方をしていたので、自分の生きたいように生きている人を見ると羨ましく感じることがあります。

アップルの創業者スティーブジョブスは、有名なスタンフォード大学の講演でこう述べています。

他人の意見によって、自分の内なる声を溺れさせてはならない。何よりも大切なのは、自分の気持ちや直感に従って行動する勇気を持つことです。

私的な解釈ですが、今ここで何を自分が望んでいるか、何を感じているかを本当に理解できるようになることこそが、ビリーフを取り除くこと、タマネギの皮むきのゴールなのだろうと感じています。

今日のアクション

自分で偉そうなことを書いておきながらなのですが、私自身、ビリーフの塊でまだまだ道半ばだなと痛感しました。ただ、自分にビリーフがあると自覚することが第一歩でもあります。

心の分野に書籍はスピリチュアルに寄り過ぎていて、苦手に感じるモノが多いのですが、本書はわかりやすい語り口で丁寧に解説してくれています。おすすめです。

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