これまで何度か取り上げたのですが、私は片づけ士の小松易さんが主催されている片づけ研究会に参加しています。
片づけを仕事にされている方というのは、世の中に意外といらっしゃるのですが、小松さんの最大の特徴は会社員時代を経て養ったビジネスという視点ではないかと私は考えています。そう片づけはビジネスのパフォーマンスにも影響を与えるのです。本書はそんな切り口で書かれた一冊です。
私自身の経験からも、そして仕事柄デジタルデータの片付けについては共感する部分がありました。
■時間は誰にでも平等である
ある企業で社員のみなさんに「一日に仕事で書類や文具を探している時間はどのくらいですか?」というアンケートを取ったことがあります。そのときの平均時間は30分くらいでした。
「一日30分くらいなら大したことがない」と思うかもしれませんが、一が月で11時間、年間で132時間も探し物を見つけるために無駄な時間を浪費していることになります。毎日8時間働いているなら、16.5日分。なんと2週間です。
「時は金なり」という言葉がありますが、実際のところは意識している人ばかりではないというのが自分の感覚です。よくテレビなどで年収はいくらでという切り口の話題は見かけますが、時間単位で計算している場面にはあまり出くわしません。また、今流行っているスマホのソーシャルゲームなども、個人の可処分時間をお金に変えていると言えると思います。そう、片づけることは自分は節約することと同義だと考えています。片づけることで時間意識が確実に変化します。
■何のために片づけるのか
片づけが苦手な人のなかには、幼い頃から親や先生たに口うるさく注意されて、嫌々片づけをしていた人もいるでしょう。独り立ちして誰の干渉も受けなくなると、身のまわりは散らかり放題。「多少散らかってるくらいが心地いい」というメンタリティの持ち主もいます。
<中略>
このように「人から言われて片づける」という人生をずっと歩んできた人には、「何のために片づける?」という視点が欠けています。
これは自分の経験談ですが、片づけが苦手な人がある程度片づけをできるようになってくると、段々ただ片づけをするところから、もっと快適な生活を送れるように片づけをしようにマインドが変化してきます。片づけは結局のところ、何そ捨てて、何を持つかの取捨選択ができるようになることです。自分はどういう生活を送りたいかという部分に繋がってくるのです。
■デジタルデータの片づけ力
デジタルデータは書類や文房具と違って物理的なスペースをとりません。パソコンのハードディスクの容量はテラレベルになり、外部記憶メディアを使うとほぼ無制限にデジタルデータが保管保存できます。すると、「整理整頓は不要では?」と一瞬思ってしまいますが、デジタルデータも積極的に片づけるべきなのです。
昨年の東日本大震災の時に痛感しましたが、現代は情報が反乱し過ぎていて、正直何を信じていいのかわかりません。このような状況では、自分で判断する力も衰えていってしまいます。自分で判断する力をつけるには、まずは自分にいらない情報を片づけるところがいいのではと自分は考えています。まさに片づける力がメディアリテラシーの力に繋がると私は考えています。そして効率的の情報をつかみ取る力は仕事力にも直結します。
■今日のまとめ
片づけをこなせるようになると、時間意識、目的意識、メディアリテラシーの力が確実に変化してきます。これらの力は現代でますます必要になってくる力だと感じています。何から手をつけていいかわからない。そんなときは片づけから入るといいと私は思っています。
電子書籍「本好きのためのAmazonKindle読書術」著者。Kindle本総合1位を2度獲得。その他WordPressプラグイン「Sandwiche Adsense」を開発。トライ&エラー可能な人生を目指して活動中。世の中の問題はだいたいコミュニケーションに関わるものなので、もっと気楽にやろうをモットーにブログ「モンハコ」を運営。
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