2015年9月に岡野純さんと開催した電子書籍著者発掘イベントで出版が決定し、2016年4月に金風舎より出版された「残業を減らし定時で帰る仕事術〜SE女子のタスク管理奮闘記〜」が今月「 Kindle月替わりセール」の対象作品となっております。
自分が主宰したイベントから出た作品がこのような形で注目を浴びるのは嬉しいわけですが、そういうひいき目を差し引いても本書は、時間に追われるあらゆるビジネスパーソンに向けたタスク管理入門の良書だと感じています。
せっっかくの機会なので、レビューをしてみることにします。
スポンサーリンクなぜ多くの日本人は定時で帰れないのか
ここのところ、マスコミでも連日働き方の改革の問題が扱われています。その議論の中心は残業時間の規制。残業の上限をどのくらいにするであるとか、休みを取りやすい仕組みを作ると言った、時間に関する量に関する指摘ばかりです。
本書で指摘されていますが、仕事が終わらず定時で帰れない理由はこの二つしかありません。一つは仕事の量が多いこと、もう一つは仕事の密度が低いことです。
この指摘に基づくと、今日本で問題視されているのは圧倒的に前者です。それはものすごく大事なことなのですが、やはり仕事の時間的な尺度だけでなく、質や進め方に関する議論ももう少しする必要があると感じています。
記録することで傾向と対策を把握する
本書では、タスク管理ツール「TaskChute」や「たすくま」と活用して、自分が一日の仕事の中でどういう仕事にどのくらい時間を使っているかを把握することを推奨しています。
その上で自分の仕事に使っている時間の傾向を把握し、無駄なメールチェックや、割り込み作業をしないような仕事の進め方を構築することを勧めています。
本書で書かれている方法は、職場の状況、仕事の内容によっては誰でもが実践できるとは言えない部分もあるかもしれません。ですが、自分の傾向を把握するために作業にかかった時間を記録しておき、対策を考えるという部分ではあらゆる仕事に適用できる考え方だと言えるはずです。
自分なりのやり方、仕事の進め方を振り返ってみることが定時で帰ることへの近道かもしれません。
どうして定時で帰りたいのか
後半のほうに、定時で帰りたければ帰りたい理由をはっきりさせようという内容のことが書かれています。個人的には、これがはっきりしていない人って日本人には多いのではないかと感じています。
また、個人的な経験から言えば、最初は帰ってやりたいことがあったとしても、夜遅くまで仕事をするのが常態化してしまうと、いつの間にか自分の時間が出来たときに何をしていいかわからなくなるという症状が出たりします。
昔仕事が忙しくなり、週休1日が当たり前になったあと、普通の生活に戻ったら週に2 日も休みあったら何をしていいかわからないと本当に考えていたのです。今振り返ると異常な感覚ですが、当時はそれが自分にとっての普通でした。
いくら仕事を効率化しようが、残業禁止という大号令が出ようが、現実の社会では一時的に忙しい時期が訪れることがあるものです。
ただ、こういう状況になったとしても、その時期が過ぎたら自分の時間を大事にするという意識こそが最終的に無駄な残業をしないで帰る上で一番大事なことなのだと感じています。
絵柄が可愛いので、すっと頭に入る
本書のは、とにかく絵柄がコミカルにかわいいという漫画のメリットを最大限に活かしています。タスク管理をブログ記事などに文章化しようとすると、慣れない人にとっては横文字のややこしい言葉が出てきたり、タスク管理ツールの使い方に終始してしまい本質的に大事なことが何か分からなくなってしまうことがよくあります。
その点、この本漫画にすると同時に、タスク管理の本質的に大事な部分に絞ってわかりやすく漫画で紹介してくれています。タスク管理を本格的に始めたいけど、難しそうという方に最適な入門書と言えます。
今日のアクション
という訳で、本書は本日(2017年2月1日)から28日まで月替わりセールの対象となり、300円が180円で購入できます。
Kindle Unlimitedの対象作品でもあるので、そちらで読むこともできますが、手元に置いておいても損のない本なので、いつも仕事に追われて時間がないとお悩みの方はこの機会に是非どうぞ。
電子書籍「本好きのためのAmazonKindle読書術」著者。Kindle本総合1位を2度獲得。その他WordPressプラグイン「Sandwiche Adsense」を開発。トライ&エラー可能な人生を目指して活動中。世の中の問題はだいたいコミュニケーションに関わるものなので、もっと気楽にやろうをモットーにブログ「モンハコ」を運営。
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