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聴く力と引き出す力と人との距離感

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人の話を本気で聴くというのは難易度の高いことです。コミュニケーションの基本は話すこと伝える能力だと30歳手前まで考えていました。論理的に、的確に自分の主張を伝えることができる人がコミュニケーション能力の高い人であると。それはそれで大事なことなのですが、人の話を聴くこともコミュニケーション能力であるという視点がバッサリ抜け落ちていたのです。

 

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コミュニケーション能力の基本は聴くこと。しかも欲を言えば、相手も自覚していなかった部分を引き出すことです。

 

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コミュニケーションは信頼関係の上でしか成り立たない

 

相手が「この人に語りたい」と思うような聞き手になればいいのではないか。こんなに自分の話を面白そうに聞いてくれるなら、もっと話しちゃおうかな。あの話もしちゃおうかな。そういう聞き手になろう。

 

心理学用語でラポールという言葉があります。ざっくりいうと信頼関係のことです。私自身、仕事上のコミュニケーションがうまくとれず大変苦労した時期があります。自分が正しい論旨を説明しているはずなのに全く相手に受け入れて貰えなかったのです。当時全く理由が分からず途方に暮れました。

私は根本的に相手から信頼を得ていなかったのです。

特に仕事上のコミュニケーションは、上司と部下、顧客など表面上の役割は分かりやすいことが多いです。ですが、いくら立場の関係があっても人の心を縛ることは不可能です。表面上の関係生に目を奪われ、そこに本当の意味での信頼関係が成立していない場合があります。正論を主張しているのに、意見を聞いて貰えない。その場合、相手との関係生はどうかを考えてみる必要があります。

 

自分の常識を疑う

 

自分と同じであることを「正しい」とか「当然だ」と過度に思い込まないようにさえすれば、目の前の人が、「私」とどう違うのか、どのくらい近いのか遠いのか。そのスケールをもとに質問を広げていくことは、有効な手立ての一つとなり得ます。

 

自分が知っているという常識が相手に通用しないということはよくある話です。

例えば、IT業界は新しい業界で最先端の技術を扱っているというイメージがありますが、そもそもIT業界自体は決して新しい業界ではありません。業務用のコンピュータは1970年代には登場しているので、それなりの歴史はあります。

問題はインターネットの登場です。1990年代の中盤からインターネットが一般化したことで、その後、ITを構成する技術が大きく変わりました。どの年代で現場の第一線にいたかによってその常識が大きく違うことがあり、ミスコミュニケーションを生み出す要因ともなり得ます。

同じ業種の人だからといってこれくらいわかっていて当然だろうという思い込みで私はかなり苦労しました。まずはコミュニケーションを取りたい相手のバックグラウンドはどこなのかを探っていくことが重要なのです。

 

ペルソナを越える

 

「意外性」というものが、インタビューをするときは大変に重要なポイントになります。「あら、意外!」と思う部分がちらりとでも出てきたとき、私は「やった!」と叫びたくなります。今まであまり知られていなかったゲストの別の部分、思いもよらなかった新たな側面を垣間見ることができれば、そのインタビューは成功したと言えるのではないでしょうか。

 

どんな人であれ沢山のペルソナを抱えています。仕事場、家庭、友人関係、それぞれに別の顔が出るのです。ですが、本当の意味で信頼関係を築くには、

存在そのものを聴く

という意識付けが必要になります。その人がもっている一面だけを切り出してやりとりをしても、何かのタイミングに崩れてしまう可能性があります。偉い人だから話を聴こうという姿勢は最終的には信頼関係の崩壊に繋がる恐れがあるのです。

 

今日のアクション

 

コミュニケーションについてはいろいろと勉強をしていますが、未だに人との適切な距離感ってどのくらいだろうと悩んでしまうことがあります。人とは親しくなりたいですが、そう思った相手に限って距離感を感じたりと苦労しています。

 

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