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これから研究職を目指す人は自己管理能力を磨いて下さい

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研究。学者。学問。

大学に入るまでその漠然とした響きにあこがれを抱いていました。実際にそれがどういうものであるかよく理解していない状態で。

結局私は大学院まで進学したのですが、漠然としたあこがれだけで研究室生活をスタートしたため、現実の厳しさにかなりうちひしがれました。それまで、きまったカリキュラムをこなすことが中心であった学部生生活とうって代わり、自分で課題を決めてそれを淡々とこなしていく研究室生活は根本的に求められるスキルが違ったのです。

 

フリーランスと研究者は宣言するとうまくいく (impress QuickBooks)

 

あまり語られたことを聴いたことがないのですが、研究者の資質として自己管理能力は必須だと考えています。

 

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自由に使える時間があるから自由とはかぎらない

 

やることはあるのに、作業をせずだらだら過ごしてしまい、とくに何も成果物を出さないまま1日が終わってしまう、という日々が多くなってしまったのです。酷い時には、布団をかぶってダラダラと1日が消えてしまったこともあります。日曜日を何もせず過ごして月曜日が憂鬱になった経験がある人は多いと思いますが、曜日を問わずこのような現象が起きてしまい、締め切りが近くなってきて大慌てで作業をするというパターンが多くなってしまいました。

 

私自身が大学院時代にこれとまった同じような経験をしています。それまで講義の受講、ゴールの決まった実験が中心だった学生生活は、研究室に配属されるとともに一変しました。私が過ごした研究室は週に一度のゼミ以外はこれといった時間の制約がなく、私はなんとなくダラダラ過ごして時間だけが過ぎていくという状態を経験しました。

よく研究室に入るときなどに先輩から「学部生と院生の最大の違いは自分で課題を見つけて解決する能力の差だ。」と言われていました。もっともらしい内容ですが、今思えば正確ではないと感じています。研究室生活で必要な能力には確実に自己管理能力が含まれます。

自分で研究課題を決めて、自分でスケジューリングするのですから当然です。ただ、これを言葉に出して言ってくれる人は案外少ないです。少なくとも当時の私は気付きませんでした。

 

管理手法は自分で構築するしかない

 

本書では、研究者生活で自己管理の方法を見直した著者がGTD(Getting things Done)を試行錯誤で導入するプロセスが記述されています。ただ、著者はGTDさえやればうまくいくという思い込みに捕らわれてかなり苦労しています。

 

自分で勝手に、「GTDが上手く回れば全て上手くいくのだ」と勘違いしていたことに気がつくことができたからです。

(中略)

確かに、GTDをよりよいものにするためには、GTDの仕組みをしっかりと作った方がいいでしょうが、別に一部が欠けていたからといって、全てがダメになる仕組みでもありません。

 

結局自己管理を100%何か既存のメソッドに当てはめようとするのはムリなのです。私の周りには様々職業でタスク管理を実践している方がいますが、やり方が全員違いすぎて、誰を参考にしていいか困っているくらいです。

 

華やかさの裏にある実態を知る

 

今は少し状況は変わっているかもしれないですが、私が学生のころは研究職という仕事にあこがれを抱いていました。ですが、私の場合、本業の研究以外のところでつまづいてしまったという苦い経験があります。

研究職に限らず、その職業に対する必要なスキルセットというものが案外実態とかけ離れているというケースはよくある話です。その意味において、研究者のタスク管理に関する苦労を書いた本というのは斬新だと感じています。

 

今日のアクション

 

多少ツールの紹介なども含まれているので、知らないと読み解けない部分もありますが、私はこの本をこれから研究職を目指している学生の人が読んで欲しいと考えています。

その職業の裏にある知られざる苦労が知れる本となっています。

 

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