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受け入れられるアドバイスの仕方

photo credit: Thompson Rivers via photopin cc

 

正論を言っているのに敬遠される。私が少し前まで仕事で考えていた悩みの大半はこんな感じでした。システム開発という仕事は目に見えないものを作る仕事です。クライアントやあるいはチームのリーダーと意見をすり合わせる際、自分の意見が通らず悔しい思いをしたことは何度もあります。コンサルティングスキルに類するものは当然必要になります。

 

たった1年で“紹介が紹介を生む”コンサルタントになる法 (DO BOOKS)

 

人にアドバイスをするということはどういうことなのか。その本質を考えさせられる一冊です。

 

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複雑な問題の場合、クライアントはそれをうまく説明できない

 

本書では、自分あるいは自社のことがわかっていない状況を金魚鉢症候群と読んでいます。金魚鉢が丸いことは外側から見ればあきらかなのに、内側の金魚からはまるでわからないということの例えです。

業務システムを構築する際によくあることなのですが、発注元のクライアントさんが自社の業務について分かっていないことがよくあります。日常ルーチンでやっている業務を実際にワークフローに落とした場合にかなり複雑になってしまうのですがそれに気づいていないのです。

 

本書はコンサルタントは行間を読む力が重要だと強調されています。

 

システム開発においても全く同じです。大体の場合、業務をワークフローに落とすには、通常ケースに加え、決済者がいない場合のイレギュラーパターン、実は管理担当の人は実態を把握してなくて、現場で属人的に回っている業務などが確実に存在します。

この部分をできる限り的確に押さえておかなければ、のちのちのトラブルを誘発しかねないのです。

 

本質的な問題はしがらみ

 

私は数年前までなぜコンサルタントという仕事が成立するのか理解できていませんでした。現場の人間は大半は気づいていることをわざわざ外部の人からアドバイスを受けているというケースを何度か見かけたからです。

 

別にお金を払ってわかりきっていることを聴くことはないのに

 

と何度も考えたことがあります。もちろんコンサルタントにはいくつもの会社とやりとりをする中で得た独自のノウハウというものがあると考えていますが、そのレベルの問題まで到達していないことも多くあります。ですが世の中、立場上言えないこと、気づかないことということが沢山あります。私はこのころ組織における立場というものに鈍感だったのです。

本書では、立場が生み出す心理的葛藤ということを強調されています。コンサルティングとは、この心理的葛藤も和らげながら、問題の解決へ導いていく作業だと定義しています。

なんというか20代の自分に聴かせたい内容です。

 

アドバイスは知的エンターテイメント

 

私が20代のころ、人と議論をして衝突することは正義であると心のどこかで考えていた節がありました。正しいことを言っているのだから受け入れられるはずという自負があったのです。そんな訳はありませんね。人間は最終的に人を好きか嫌いでしかジャッジできません。

著者はコンサルタントを単なるサービス業ではなく、知的エンターテインメント業だと定義しています。確かに聴いていてワクワクするアドバイスなら受け入れやすいですよね。人間は知らないことを知ることに喜びを得ることができる生き物です。耳の痛いアドバイスも、それを上回る知的発見を相手に感じさせることができたら成立する可能性は高まりますよね。

伝える内容と同時に、伝え方も重要なのです。

 

今日のアクション

 

当ブログのタイトルはモンハコ~問題の8割はコミュニケーションです。伝え方を変えるだけで結果が大きく変わることってたくさんあるという思いからこのタイトルも付けています。

人のアドバイスするのはどんな場面においても本当に難しいです。私は今でも押しつけになっていないか緊張することがあります。アドバイスとはどうあるべきか考えさせられる本です。

 

 

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